专注日语培训18年
読解 問題8 次の(1)から(4)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
(1)
ほかの人の成功事例をマネすることが、必ずしも自分の成功を約束するものではなくなったのがいまの時代です。昨日までの成功は、今日の成功を意味しません。そのような時代に大切なのは、やはり創造力です。そして創造力とは新しいものをつくりだす力を意味している以上、失敗を避けて培えるものではありません。
創造力を身につける上でまず第一に必要なのは、決められた課題に解を出すことではなく、自分で課題を設定する能力です。
(畑村洋太郎『失敗学のすすめ』による)
46 筆者によると、いまの時代に創造力を養うには何が必要か。
1 失敗を経験しながら課題を見つけ出す力
2 失敗を重ねながら課題をこなしていく力
3 失敗を生かしながら課題を遂行する力
4 失敗を受け入れながら課題を解く力
(2)
以下は、ある会社が取引先に出した文書である。
2010 年11 月10 日
エ―ピーシー株式会社
海外営業部長 田中春子 様
アサクラ株式
会社
国際課長 西田良雄
拝啓
貴社ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。
先日お知らせいたしました通り、弊社は、事業拡大のため、来年1 月に本社を現在の朝日ビル(北森区)から山中ビル(西川区)に移転いたします。それに先立ちまして、これまで東川区にございました国際課も、12 月3 日に山中ビル5 階に移転することになりました。つきましては、以下の通り新住所および連絡先をお知らせいたします。
今後とも、なお一層のご愛顧のほどお願い申し上げます。
敬具
記
新住所 :〒1 41 ―0023 東京都西川区大町1 - 5- 20 山中ビル5階
新電話番号 :0 3 ―7434 ―5656
新FAX 番号 :0 3 ―7434 ―5657
以上
47 この文書で最も伝えたいことは何か。
1 アサクラ株式会社の国際課が1 月に山中ビルに移転すること
2 アサクラ株式会社の国際課が12 月に山中ビルに移転すること
3 アサクラ株式会社の本社と国際課が1 月に山中ビルに移転すること
4 アサクラ株式会社の本社と国際課が12 月に山中ビルに移転すること
(3)
価値観や科学的常識は、誰にとってもいつの世でも、変わらぬものだと感じがちです。しかしそれは雲の形のように、一見、静止しているように見えて、じつはゆっくりと変化しています。あまりにもゆっくり変化するため、多くの人が、雲は静止画のように変化しないものだと信じているのです。
誰もが、たまたま自分の成長期に見ていた雲こそが「正しい雲の形」だと思い込みます。こうしてそれぞれの世代の人の脳裏にある雲の姿は、お互いに尐しずつズレてきて、すれ違いが起こるのです。
(藤沢晃治『「わかりやすい教え方」の技術―「教え上手」になるための13のポイント』による)
48 筆者は、すれ違いが起こる原因をどのように説明しているか。
1 見る雲の形はどの世代でも変わらないが、一人一人は違う雲の形を見ているため
2 見る雲の形はどの世代でも同じだが、一人一人の記憶の中で雲の形が変わっていくた
3.見る雲の形は世代によって違うが、一人一人は雲の形はいつも同じだと思っているため
4 見る雲の形は世代によって異なるが、一人一人の好きな雲の形はそれ以上に違うため
(4)
データが示す姿は光の部分もあれば影の部分もある。そのどちらか一方だけを強調することは、分かりやすさという面はあるものの、徒に対立軸を先鋭化(注)させたり、無用の混乱を生じさせる危険性がある。
これらをいちいち意識しているのは大変であるが、尐なくともデータをやみくもに信じてしまう態度だけはとるべきでない。データの罠わなを見分ける力、すなわちデータリテラシーは、多くの人にとって必要なものではあるが、本来は、公平で客観的な報道に努めるべきメディアに携わる人間が、しっかりと備えていなければならない必須の条件である。
(田村秀「データの罠―世論はこうしてつくられる」による)
注:先鋭化させる:ここでは、目立たせる。
49 筆者によると、報道に携わる人間が備えておくべき必須条件とは何か。
1 示されたデータから影の部分を取り除く力。
2 示されたデータが偏ったものではないか見抜く力。
3 示されたデータをありのまま分かりやすく伝える力。
4 示されたデータから報道目的に合ったものを選び取る力。
問題9 次の(1)から(3)の文章を読んで、後の問に対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
(1)
すでに地図の空白がなくなった現在、地理的な冒険や探検といった行為は、時間が経たつにつれてどんどん不可能になってきている。ジャーナリストの本多勝一氏は、冒険の条件として「命の危険性」と「行為の主体性」の二つをあげているが、①近代の冒険は、その後者が重要なのだ。それはつまり自己表現の問題とも密接に関かかわってくる。ここでいう表現とは、地図上に誰もたどったことがない軌跡を描くという意味である。これまでの人類の歩みを俯瞰ふかん(注1)して、その隙間すきまを見つけ、自分なりの方法で空白を埋めていく行為と言い換えることもできる。わかりやすいところでは、登山におけるバリエーション・ルートや、8000 メートル峰ほう(注2)を無酸素で登ることや、厳冬期にどこそこを横断するとか、はじめて大陸の最高峰ほうに全部登るとか、そういうことだ。末踏(注3)の地がなければ、点と点を結んで誰もおこなっていないことをすればいい。そうした点と点を結ぶのが厳しい土地、アクセスの難しい場所、思いもよらないルートを形成するなら、なおさらその注目度は増していく。冒険の世界には、海でも山でも空でも、そういう志向が必ずどこかに存在している。白紙のキャンバス(注4)に絵を描くためには表現力が必要なように、②地理的な空白がなくなった時代を生きる現代の冒険家たちは、そこに特別な自分なりの題材を見つけなくてはいけない。だからこそ③冒険者はアーティストでもあるといえる。
(石川直樹『最高の冒険家』による)
(注1):俯瞰
ふかん
する:全体を眺める
(注2):8000 メートル峰
ほう
:8000 メートル級の山
(注3):末踏:まだ誰も足を踏み入れたことがないこと
(注4):キャンバス:絵を描くための布地
50 筆者は①近代の冒険は、その後者が重要なのだと述べているが、それはどのような意味か。
1 誰もが難関と感じる対象を探し、命をかけて挑戦することが重要だ。
2 先駆者が偉業を成し遂げた場所に、新たな決意で挑戦することが重要だ。
3 新たな冒険の対象を見いだし、独自の方法でそれに挑戦することが重要だ。
4 誰も踏み入ったことのない場所に、独創的な方法で挑戦することが重要だ。
51 ②地理的な空白がなくなったとはどういうことか。
1 誰も考えつかないような冒険のルートがなくなった。
2 自分なりの方法で冒険できる場所がなくなった。
3 冒険に値するルートがすべて行き尽くされた。
4 誰も冒険したことがない場所がなくなった。
52 筆者が、③冒険者はアーティストでもあると述べているのはなぜか。
1 冒険者もアーティストのように創造性のある自己表現が求められるから
2 冒険者もアーティストのように表現力をつけることで注目度が増すから
3 冒険者もアーティストのように自然と向き合って自己表現するから
4 冒険者もアーティストのように主体的な表現が許されているから__
(2)
世界の食糧供給の頭打ち(注1)、かつての日本と同じように、経済成長のために農業を衰退させ、一方では食生活の向上を図るアジアの動きなど、私たちが暮らしている輸入大国の基盤は意外に脆もろい。
私たちは、①このへんで食糧の危機管理体制を考えておく必要があるのではないか。
危機管理とは、いったんことが起きた時に、生産から流通までをどうするか、前もって体制作りを考えておくことである。②体制を制度にしておかないと、食料確保のためのある程度強制力を持った政策を実施することなど不可能である。畑にはイモ類を優先的に植えなければならない。個人的に嫌だという人がいても、国民が最小限の栄養をとるために協力してもらう必要がある。この点を制度化しておく方が良いのではないか、ということである。
平和な時には、この制度は眠らせておけばいい。いざという時に(注2)政府が発動(注3)するのである。普段は、政府はなるべく食料の生産や流通には介入すべきではない。それぞれの立場の人たちが、自由に活動出来るような環境を整えておく役割だけでいい。しかし何かの時には、食料管理に責任を持つ仕組みに移行するのである。多くの場合は、異常事態が過ぎ去るまでの一時的な措置になるだろう。
(中略)
食糧の危機管理体制とは、非常事態に備えた生産から流通までの仕組み作りである。発動する(注3)ことがないように祈りながら、制度を検討しておく必要があるのではないか。
(中村靖彦「コンビニ ファミレス 回転寿司」による)
(注1)頭打ち:限界に達して、それ以上に伸びなくなること
(注2)いざという時に:非常事態の起こった時に
(注3)発動する:ここでは、制度を実際に使う
53 ①このへんで食糧の危機管理体制を考えておく必要があるとあるが、なぜか。
1 今すぐ食糧を確保し国民一人一人の生活を守らなければならないから
2 アジアを中心として食料の生産や流通に非常事態が起きているから
3 食糧の確保が今後ますます難しくなることが予想されるから
4 食糧輸出国の危機管理体制が確固としたものではないから
54 ②体制を制度にしてとあるが、どうすることか。
1 生産から流通までの体制を考える。
2 国民が活動できるような体制を整える。
3 政府主導で実施出来るような仕組みを作る。
4 生産や流通に国民が責任を持つ仕組みを作る。
55 政府が検討すべき食糧の危機管理体制について、筆者の考えに合うものはどれか。
1 必要が生じた時には、国民の同意を得て実施するべきだ。
2 今すぐ実施した方が良いので、速やかに制度化するべきだ。__
3 平常時は実施する必要はないが、制度自体は早く整えるべきだ。
4 平和な時に限らず、国民が自由に活動出来る環境を整えるべきだ。
(3)
①日本の建築は寿命が短いが、これは木造自体の耐久性から決まるのではない。木造建築でも百年や二百年は持つ。千年以上持たせることも可能である。しかし、構造部材(注1)のメンテナンスが必要なので耐久性を考えると大材(注2)を用いたほうが良い。しかし、城郭(注3)や宮殿、館、寺院仏閣(注4)の類でないとなかなか大材を用いることができない。入手も難しいし加工にも手間暇(注5)がかかる。また、一般的に木造建築は火事や地震で失われることも尐なくない。
日本人は白木の新しい建物を愛したが、時が経たつと木の表面が黒ずんでくる。そこで、余裕がある者は、地震や火災に遭った時は勿論もちろん、ある程度老朽化してくると建て直し、周囲はその建て主のことを「甲斐性かいしょう(注6)がある」といって褒ほめ称たたえた。しかし、建て直すといっても、大まかにいえばもとと同じものが建つ。勿論もちろん尐し大きくなったり小さくなったり間取りが変わったりするが見た目に大差がない。そこで、街並みや風景は長期にわたって維持される。しかも木材はリュース(注7)、リサイクルされた。
②これは、日本独特の更新の文化と呼んでも良い。この典型が伊勢神宮いせじんぐうである。二十年ごとに隣合う敷地に交互に建て直されるが、建てられるものは全く同じである。建物を更新するためには、木材が必要であり、樹木も植林によって更新される。若木のほうが二酸化炭素の吸収能力が優れているから、若木への更新は環境上も評価できる。同時に職人技術も更新される。更新は環境に優しく、人々に仕事を与え、ゆっくりとした変化をもたらす木の国の優れた文化である。
(小西敏正『平成 日本らしき宣言』による)
(注1)構造部材:建物に加わる力を支える材料(例えば、柱)
(注2)大材:ここでは、長期の使用に耐える大きな木材
(注3)城郭:城とその外側の囲い
(注4)仏閣:寺の建物
(注5)手間暇:労力と時間
(注6)甲斐性
かいしょう
がある:ここでは、何かを行う経済力があって立派だ
(注7)リュース:再使用
56 ①日本の建築は寿命が短いとあるが、なぜか。
1 木材自体に耐久性がないため、メンテナンスが難しいから。
2 建築に適した木材の入手が難しく、修理もあまりしないから。
3 木造建築は老朽化が速いだけでなく、火事や地震にも弱いから。
4 丈夫な木材があまり使えないうえ、災害で失われることも多いから。__
57 ②これは何を指すか。
1 建物が老朽化してくると同じように建て直すことで、外観が保持されること。
2 建物が老朽化してくると外観を全く変えずに建て直すことで、景観が維持されること。
3 建物が老朽化してくると、材料を再利用して同じ間取りに建て直すこと。
4 建物が老朽化してくると、景観の維持を優先して見た目を変えずに建て直すこと。
58 筆者は、木造建築が更新されることにはどのような利点があると考えているか。
1 質の良い木材の入手が容易になるだけでなく、職人の技術が向上する。
2 樹木の生育にあった条件が整う上、美しい街並みも守られる。
3 植林が進むので環境によい上、職人の技術も受け継がれる。
4 木材の供給が安定するだけでなく、美しい風景が守られる。
問題10 次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを一つ選びなさい。
心は目に見えない。だから客観的に知ることはできない。ならば、心とか意識なんて面倒なことを考えるよりも、目で見える、定規で測れるものだけを考えることにしよう。そう考える人がいても不思議ではない。
行動主義(注1)心理学と呼ばれるこの流派では、サルやネズミなどにレバー(注2)押しなどの行動を訓練し、その行動から動物の心を探っていく。しかし動物に「まずはレバーを押してみてください」と頼むわけにはいかない。例えば、初めて実験室につれてこられたサルは、そもそもレバーにさえ気づかないからだ。
では、サルにどうやってレバーを押させるのか?ポイントは二つ。ひたすら待つ。そして尐しずつ目標に近づける。
例えば、サルが尐しでもチラッとレバーを見たとする。そこですかさずエサを与える。これを何度か繰り返すと、サルの注意が次第にレバーに向いてくる。ここでいったんエサやりを止める。するとサルは、うろつきまわったりキョロキョロしたり、色々なことを試し始める。ここが我慢のしどころ。試行錯誤の中、サルの手がレバーに伸びるのをじっと待つ。そして手が尐しでも伸びれば、すかさずエサを与える。
こうして、適切なタイミングでエサをやりながら、尐しずつ目標の行動に近づけていくのである。
私はこのやり方を、大学院生の頃ころ、助手の先生に教わった。それは教科書に書いてあるとおりのことだった。が、実際にやってみると、それは衝撃の体験だった。
エサやりのボタンを右手に持ち、白黒のモニターごしに、サルの行動をじっと見つめる。 私はサルに念じていた。「振り向け、レバーに振り向け」。伝わらない思いを伝えたい。ふいにサルがレバーに近づく。と、すかさず「エサやり」というメッセージを送る。それは紛れもなく(注3)コミュニケーションであった。
この訓練をずっとやっていると、徐々にサルの気持ちがつかめてくる。そして、気持ちがつかめてくると、訓練は格段に早く進む。行動だけを見よといいながら、その実(注4)、うまく訓練するにはサルの心がつかめていなければならないのだ。心は行動からしかつかめない。しかしそれがつかめたとき、手の中にサルの心があるように思えてくる。そのとき私は、学問の本当に大事なことは、教科書には書いていないことを知ったのだった。
(金沢創「心体観測 2009年2月8日付朝日新聞日曜版による)
(注1)行動主義心理学:人間や動物などの行動を観察して研究する学問。
(注2)レバー:機器を操作するときにつかんで動かす棒。
(注3)紛れもなく:間違いなく。
(注4)その実:実際には。
59 サルにレバー押しをさせる目的は何か。
1 サルを訓練して、人間の意図を読み取れるようにすること。
2 サルを訓練して、動物だけが持つ見えない能力を開発すること。
3 サルの行動を通して、動物に対する人間の心の動きを探ること。
4 サルの行動を通して、目に見えない動物の心や意識を研究すること。
60 この実験室内の訓練で、人間はサルに対してどのように対応しているか。
1 サルをレバーの近くに連れて行き、目標の行動をしたらすぐにエサをやる。
2 サルがレバーを押したらエサを指し示し、目標の行動をするまでじっと待つ。
3 サルにレバーを指し示し、人間が期待する次の行動をしたらすぐにエサをやる。
4 サルがレバーを見たらエサをやり、人間が期待する次の行動をするまでじっと待つ。
61 そのときとは、どんなときか。
1 「エサやり」というメッセージを繰り返し送ることで人間とサルの行動の違いがわかったとき。
2 「エサやり」というメッセージを送る過程を通して、サルの心がつかめたと感じたとき。
3 レバー押しの訓練が進むにつれて、サルが筆者の心をわかってくれたと感じたとき。
4 レバー押しの訓練によって教科書には書かれていないサルの行動が解明されたとき。
62 筆者がこの訓練をして分かったことは何か。
1 動物を目標の行動に近づける訓練では、「エサやり」を通して動物が人間に慣れることが大切だ。
2 動物を訓練するためには気持ちをつかむことが重要であり、それは自分で体験してはじめてわかる。
3 動物の心理を探るためには、まず教科書に書いてあるとおりのことを実験することが大事だ。
4 動物の心をつかむには目に見える行動だけに注目することが大切だが、そのことは教科書に書いていない。
問題11 次のAとBの文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
A
テレビや新聞などで年々深刻化するごみ問題が取り上げられている。例えば一般的な家庭ごみとして、生ごみのほかにも食品容器や商品などの過剰包装による廃棄物が多く見られるという報告がある。最近では指定されたごみ袋を買ってごみを捨てたり、客に買い物袋の持参を促したりする動きがあるが、ごみの量に変化は見られない。
もし、自治体が家庭ごみ一個の収集につき〇〇円と有料化すればごみは減るかもしれない。
ごみ自体の廃棄にもお金がかかるようになれば、誰もがごみを出す前に考えるようになるだろう。そうなれば消費者は不必要な包装を断り、使用可能な物まで捨ててしまうことも減尐するのではないだろうか。
B
現代社会は数十年前と比較にならないほど便利な生活が可能になった。しかし、不要になったものを再利用することよりも便利さを優先してきた結果、家庭ごみは増え続ける一方だ。
家庭ごみを減量するため、現在、ごみ袋を有料化し消費者が処理費用の一部を負担することになっている。しかし、それだけでは不十分であり、所定の場所でのごみの収集にかかる費用を消費者に負担させようと言う意見も出ているが、そうなればごみを所定以外の所に隠れて捨てるおそれも出てくる。このような問題を解決せずに安易にこれを実行に移すのには賛成しかねる。
物が生産され、消費者が購入し、不要なものは廃棄されごみになるという循環を考えると、新しい製品を次々と作り出す生産者も、それに慣れ切ってしまった消費者も便利さに対する意識を変える必要があるのではないか。
63AとBが共通して問題だと指摘していることは何か。
1 家庭ごみが所定の場所以外に捨てられること。
2 ごみ処理の費用を消費者が負担すること。
3 ごみ問題への生産者側の意識が薄いこと。
4 家庭で出されるごみが減らないこと。
64 家庭ごみ収集の有料化についてAとBはどのように述べているか。
1 AもBも、ごみ処理費用を消費者が負担することになるので、ごみの減尐に貢献するだろうと述べている。
2 AもBも、有料化しても家庭ごみは減らないばかりか、ごみ捨ての規則を守らない人が出てくるだろうと述べている。
3 Aでは有料化すればごみに対する考え方が変わるだろうと述べ、Bでは有料化する前に意識改革が必要だと述べている。
4 Aでは有料化すれば資源の無駄遣いが尐なくなるだろうと述べ、Bでは有料化すれば便利さに対する意識が変わると述べている。
65 ごみ問題についてAとBはどのように考えているか。
1 AもBも、生産者と消費者の双方が協力すれば改善できると考えている。
2 AもBも、自治体の協力を得て消費者自身が対応すべき問題だと考えている。
3 Aでは消費者が対応すべきだと考えているのに対し、Bでは主に生産者が取り組むべきだと考えている。
4 Aは自治体が対応すればいいと考えているのに対し、Bは生産者や消費者の意識も大切だと考えている。
問題12 次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
例えば、3 年間ずっとノーミスでやってきた論田くんが、はじめてミスを出した。
3 年前からずっとその仕事ぶりを観みてきた上司と、異動していきなり論田くんのミスに出くわした上司と、論田くんへの印象は同じだろうか?
両者のミスの「情報占有率」がちがう。つまり、3 年間のつきあいの中で、ミスが占める割合と、たった1回初めて論田くんと接した中で、ミスが占める割合と。
相手は、あなたが過去からずっと積み上げてきたすべての情報で、あなたを判断するのではない。結局は、そのとき相手が持っている情報だけで判断される。その中で、いい情報の占める割合が多ければ「いい人だ」となる。
あなたが「優しい人」で1 0 年間怒ったことがなかったとしても、1 0 年ぶりに怒ったとき、たまたまでくわした初対面の相手にとっては、それが1 00 %だ。あなたを「恐こわい人」だと思う。
自分にふさわしい「メディア力りょく」を相手の中に刻むために、ちょっと「情報占有率」を意識してみるといい。
コミュニケーションでは、出会いからはじまって、相手から見たあなたの「メディア力りょく」が決まるまでの間が肝心だ。つまり、初めの方が慎重さがいる。ここで、かっこつけるのでもなく、でも、あなた以下にもならず、等身大の(注1)あなたの良さが伝わるのが理想だ。
いつも質の高い仕事をしているなら、はじめての仕事先に対して、決していつもの質を落としてはいけない。ふだん静かな人なら、初対面の相手にも、奇をてらったり(注2)せず、普段どおり静かにしていればいい。自分にうそのないふるまいをする、ということは、初対面の相手にこそ大切だ。
さて、ここで問題なのは、ふだんとても穏やかなあなたが、その日はたまたま嫌なことが重なり、攻撃的になっていると言う場合だ。自分にうそのないということで、相手にきついことを言ってしまったらどうだろう。あなたにとっては、年に1回の、「たまたま不機嫌な日」でも、相手にとっては、あなたに関する情報の100%になる。
初対面の相手、まだ付き合いの浅い相手には、すこし慎重になって考えてほしい。
何だ、自分にうそのないふるまいか?自分の正直な姿を伝えるとはどういうことか?
日ごろ9 9 %穏やかなあなたなら、1%の異常よりも、いつもの穏やかさを伝えるほうが、結局は、正直な姿を伝えている。相手の中に、あなたの実像に近い「メディア力りょく」が形成されるからだ。初対面の相手にこそ、平常心であること、普段どおりにやることが大切だ。
(山田ズーニー『あなたの話はなぜ「通じない」のか』による)
(注1)等身大の:誇張のない
(注2)奇をてらう:変わったことをして、他人の気をひこうとする
66 筆者によれば、上司にとって論田くんのミスの「情報占有率」が上がるのはどのような場合か。
1 付き合いの長い上司との関係の中で、論田くんがミスを1 回した場合。
2 付き合いの長い上司との関係の中で、論田くんがミスを3 回した場合。
3 付き合いの短い上司との関係の中で、論田くんがミスを1 回した場合。
4 付き合いの短い上司との関係の中で、論田くんがミスを3 回した場合。
67 自分にうそのないふるまいとはどのようなものか。
1 その時々のすなおな気持ちを表すこと。
2 いつも正直に自分の考えを伝えること。
3 いつもどおりの姿を見せること。
4 うそをつかず正直に話すこと。
68 筆者は、なぜ初対面の相手に慎重になったほうがいいと述べているのか。
1 普段どおりの態度では、相手に自分の良さを十分に伝えられないから。
2 自分に関する一部の情報で相手がすべてを判断するかもしれないから。
3 相手の性格が自分と合うかどうかがまだよくわかっていないから。
4 初対面の相手には慎重な姿が実像だと思わせる必要があるから。
69 自分の「メディア力りょく」について、筆者はどのようにするのがよいと述べているか。
1 相手に自分の「メディア力りょく」が正確に伝わるように意識する。
2 相手に普段の自分以上の「メディア力りょく」を伝えるようにする。__
3 相手に刻まれた自分の「メディア力りょく」を気にせず平常心でいる。
4 相手に見せる自分の「メディア力りょく」を下げないように静かにしている。